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ヒドロキシクロロキンの重篤な副作用で注意喚起

ヒドロキシクロロキンの重篤な副作用で注意喚起

 

サノフィ日本法人は4月28日、海外で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療のためヒドロキシクロロキン(商品名プラケニル)が投与された症例から、QT延長、トルサード・ド・ポアント、失神、心停止、突然死といった、重篤ないし生命を脅かす副作用の報告が増加しているとして注意喚起を行った。同薬剤を使用する場合は添付文書を熟読の上、必要に応じて心電図測定などのモニタリングを実施するよう呼びかけている。

 ヒドロキシクロロキンの日本での適応症は皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデスであり、過量投与時のQT延長については添付文書にも書かれている。昨今、COVID-19に効果が期待できるとして海外で投与例が増加し、それに従って重篤な副作用報告が増えていることから、日本においても注意喚起を行った。

 これまでにサノフィ社グローバルのファーマコビジランス部門に集積された上述のような重篤ないし生命を脅かす副作用事例では、ほとんどの症例において、ヒドロキシクロロキンとQT延長を誘発することが知られている薬剤とが併用投与されていた。これらの症例の多くは、ヒドロキシクロロキンの投与中止により回復したとしている。

 2020年4月28日現在、日本においても、COVID-19に対する治療としてヒドロキシクロロキンとアジスロマイシンが併用投与された症例において、心室細動および1度房室ブロックの副作用が報告されているという。

 QT延長を起こすことが知られている抗不整脈薬や三環系抗うつ薬抗精神病薬、抗菌薬などとヒドロキシクロロキンを併用する場合、または心疾患や徐脈、心室不整脈の既往、未治療の電解質異常といった基礎疾患がある症例へヒドロキシクロロキンを投与する場合は、心電図測定など慎重なモニタリングを求めた。また、現状でヒドロキシクロロキンはCOVID-19に対する承認を取得しておらず、有効性および安全性は確立していないことから、使用に当たっては必要性とリスクを十分検討してほしいとしている。

 

 

週刊ダイヤモンド 2020年4/25号 [雑誌]