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あしたへ向かって

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インフルエンザに合併する心血管疾患の割合は

米国CDCのEric J. Chow氏らは、インフルエンザで入院中の成人患者に合併する急性心血管イベントについて検討し、危険因子を同定するために、横断研究を行ったところ、患者の11.7%が何らかの心血管イベントを経験しており、急性心不全と急性虚血性心疾患が多かったと報告した。

 米国ではインフルエンザの流行期に、14~81万人の入院患者が発生し、1万2000~6万1000人が死亡すると報告されている。もちろん呼吸器疾患がメインだが、心血管疾患もインフルエンザの合併症として重視されている。そこで著者らは、インフルエンザ入院患者に心血管疾患が合併する頻度を推定することにした。

 2010~2011年から2017~2018年までの各流行期(10月1日から4月30日まで)に、U.S. Influenza Hospitalization Surveillance Network(FluSurv-NET)に登録されていた18歳以上の入院患者で、検査による診断確定例(迅速抗原、PCR、蛍光染色、培養など)を抽出した。診療記録から、人口動態的特徴、基礎疾患、抗ウイルス薬の使用、ワクチン接種の有無、退院時の診断とアウトカム、入院日数、ICUの使用、機械的換気の使用、ECMOの使用、院内死亡などの情報を調べた。

 退院時の診断から、インフルエンザ入院患者に7種類の心血管イベント(急性心筋炎、急性心膜炎、急性心不全、急性虚血性心疾患、心タンポナーデ、心原性ショック、高血圧クリーゼ)が発生したかどうかを調べることにした。ICDコードだけでは、急性か慢性化を判別しにくい不整脈などはイベントに含めなかった。

 2010年から18年までの流行期にFluSurv-NETに報告されていた成人の入院患者は8万9999人いた。このうち退院時の診断ICDコードが確認できた8万261人を分析対象にした。年齢の中央値は69歳(四分位範囲54~81歳)だった。

 急性心血管イベントの合併は11.7%に記録されていた。最も多かったのは、急性心不全(6.2%)と急性虚血性心疾患(5.7%)だった。ほかに、高血圧クリーゼ(1.0%)、心原性ショック(0.3%)、急性心筋炎(0.1%)、急性心膜炎(0.05%)、心タンポナーデ(0.02%)が報告されていた(併発あり)。急性心不全と急性虚血性心疾患を発症した患者の多くが65歳以上だったのに対して、心筋炎、心膜炎、心原性ショックは18~64歳の患者にも発生していた。

 入院中に急性心血管イベントを経験した患者は、そうでない患者よりも慢性疾患が基礎にある患者が多かった。基礎疾患として、慢性心臓病がある患者の20.6%、慢性腎臓病がある患者の19.3%、糖尿病がある患者の14.8%が、入院中に急性心血管イベントを経験していた。

 全体では47.2%がそのシーズンのインフルエンザワクチンの接種を受けていた。39.2%は接種を受けておらず、13.6%は接種歴不明だった。

 心血管イベントを経験した患者の入院期間の中央値は5日だった。患者のうちの31.2%はICUに入院し、14.0%は機械的換気を要し、7.3%は院内死亡となった。心原性ショックをおこした患者の入院期間が最も長く(中央値9日)、38.9%が院内で死亡していた。院内死亡者は計2683人で、うち23.7%が急性心血管イベントに関係した死亡だった。

 急性心不全と急性虚血性心疾患に関係する危険因子を同定するために、多変量ロジスティック回帰分析を行った。その際に、入院前に抗ウイルス薬を2日以上使用していた患者、抗ウイルス薬や予防接種に関する情報がなかった患者、BMIが不明の患者、インフルエンザのサブタイプが判定されなかった患者などを除外して、6万1856人を対象にした。

 その結果、急性心不全の危険因子は、高齢(18~49歳に比べ、50~64歳、65~74歳、75~84歳、85歳以上は全て有意にハイリスク)、過度の肥満(BMIが18.5~24.9に比べ40以上だと有意にハイリスク)、現在喫煙者(喫煙歴なしと比較してハイリスク)、心血管疾患の病歴(心房細動、慢性心不全または心筋症、冠動脈疾患)、糖尿病、慢性腎臓病(いずれも併存していればハイリスク)だった。また、入院の2週間以上前のワクチン接種は、非接種者に比べ急性心不全リスクの有意な低下と関係していた(調整リスク比は0.86:95%信頼区間0.80-0.92)

 急性虚血性心疾患リスクの上昇と関係していたのは、急性心不全の場合と同様に、年齢、喫煙、心血管疾患の病歴(慢性心不全または心筋症、冠動脈疾患)、糖尿病、慢性腎臓病だった。また、女性は男性に比べ、急性虚血性心疾患を発症するリスクが有意に低かった。やはり、入院の2週間以上前のワクチン接種は、非接種に比べ、急性虚血性心疾患リスクの有意な低下と関係していた(リスク比0.80:0.74-0.87)

 これらの結果から著者らは、住民ベースの横断研究によりインフルエンザで入院した成人患者の約12%が急性心血管イベントを経験していたため、臨床医は基礎疾患がある患者には予防接種を受けるよう促す必要があると結論しているところである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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