ステロイドは免疫亢進というもう1つの顔がある
今年になって猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を引き起こす新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)。これまでにない独特の特徴を持つことから、世界中の研究者を悩ませ、臨床現場ではその対応において試行錯誤の日々が続いていた。
現在、COVID-19の治療薬として国内で承認され、投与が推奨されているのは抗ウイルス薬のレムデシビルとステロイド系抗炎症薬のデキサメタゾンの2剤。特に期待するのがデキサメタゾン「抗炎症薬だけで治癒した症例が出てきているのが現状で、ステロイド(ステロイド系抗炎症薬)を軸とした抗炎症治療を積極的に実施している」と説明したい。
「COVID-19の重症化にはサイトカインストームが強く関わっているといわれているので、炎症を抑える治療が重要になるだろう」とCOVID-19では、ウイルス感染が引き金ではあるが、それに引き続き宿主側の免疫応答が過剰になることが問題であるのだから、その過剰な免疫反応を抑制する必要があると言える。