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あしたへ向かって

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OTC薬では併用薬との相互作用

 

confessiondemasque.hatenablog.com

 

2020年10月10~11日に札幌市で開催された第53回日本薬剤師会学術大会で、19年度まで日本薬剤師会一般用医薬品等委員会で活動していたコルデコ(東京都中央区)コンテンツ運営部の藤田知子氏が、医療用医薬品とOTC薬の添付文書の記載内容を比較したデータを紹介し、OTC薬の販売時には、医療用医薬品の添付文書も参考に、適切な指導を心掛ける必要があると述べた。

 医療用医薬品とOTC薬では、効能効果について「疾患名」での記載か「症状」での記載かという違いがある。例えば、医療用医薬品のガスター(一般名ファモチジン)の効能効果には「胃潰瘍」「胃粘膜病変」などと書いてあるが、同薬のスイッチOTC薬であるガスター10には、「胃痛、胸焼け」と書かれてあるといった具合だ。使用上の注意に関しても、医療用医薬品は医療関係者に分かりやすい記載、OTC薬は一般の人に分かりやすく、かつ症状の改善が見られない場合は医療関係者に相談するといった対処法も記載されているという違いがある。

医療用医薬品の重要な基本的注意にも目を向けて

 また、副作用の記載については、OTC薬の添付文書は主に、(1)まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けてください、(2)服用後、次の症状が現れた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この説明文書を持って医師、薬剤師または登録販売者に相談してください、(3)服用後、次の症状が現れることがあるので、このような症状の持続または増強がみられた場合には、服用を中止し、医師、薬剤師または登録販売者に相談してください――の3通りに分かれている。

 藤田氏は、この記載が医療用医薬品の添付文書においては(1)重大な副作用、(2)(医薬品医療機器総合機構[PMDA]に報告するべき)頻度不明で未知のその他の副作用、(3)(既に判明している)その他の副作用――に相当すると解説。

 例えば、アレグラ(フェキソフェナジン塩酸塩)のスイッチOTC薬であるアレグラFXの添付文書で記載されている「口のかわき、眠気」などは、薬理作用からも発生が予想できる。このため、「販売時に『眠くなることがあるので、ずっと症状が続く場合は相談してください』などと、あらかじめ症状を説明しておくと、患者が服用時に不安に思わなくて済むのではないか」と藤田氏は解説した。

 ただし、同じアレグラFX「じんましん、排尿困難、動悸、睡眠障害」など、薬理作用からは想像しにくい未知の副作用については、詳しく症状を列挙することは患者の不安をあおることになるため、「何か気になる別の症状がみられた場合も相談してください」といった言い方にとどめるとよいとアドバイスした。

 一方で、あらかじめ症状を列挙した方がよい場合もある。便秘症等に対して用いられる酸化マグネシウム製剤の医療用医薬品の添付文書の「重要な基本的注意」には、「嘔吐、徐脈、筋力低下、傾眠等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、直ちに受診するよう患者に指導すること」と書かれている。しかし、市販の便秘薬では相当する記載で「嘔吐、脈が遅くなる、筋力の低下、強い眠気」と書かれており、「気になる他の症状」といった説明では、対応が遅れる危険性があるため、具体的に注意を促しておきたい。

OTC薬では併用薬との相互作用についても確認

 また、併用薬についてもOTC薬の添付文書には「本剤を服用している間は、次のいずれの医薬品も使用しないでください」と、同効薬が書かれていることが多く、医療用医薬品のように詳しい相互作用一覧は記載されていない。スイッチOTC薬は相互作用を示す成分が書かれているものもあるが、それだけでは一般の人には理解しにくい。藤田氏は、「OTC薬の販売時には、医療用医薬品の併用薬がないかを確認し、分からないという患者には、できるだけお薬手帳を持参するよう啓発していきたい。薬剤師側も、医療用医薬品の添付文書からOTC薬にもあり得る相互作用の情報を引き出し、説明の準備をしておく必要がある」と指摘した。

 「アセトアミノフェンやプロメタジンメチレンジサリチル酸塩などを含有するいわゆる総合感冒薬は、医療用医薬品の添付文書では排尿困難の悪化や肝障害の悪化などが記載され、下部尿路に閉塞性疾患のある患者、重篤な肝障害のある患者などに対し、禁忌となっている。しかし、OTC薬では『服用しないでください』の対象にはなっておらず、高熱や排尿困難の症状のある人、肝臓病、腎臓病などの診断を受けた人は『服用前に医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください』と書かれている。販売前に病歴をよく確認してもらいたい。特に、腎障害の患者が、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)やH2受容体拮抗薬、アルミニウムやマグネシウムを含有する薬剤を購入する際には十分に注意してほしい」と藤田氏は強調した。


 


 


 

 


 

 


 

 


 


 


 


 

 

 

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