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あしたへ向かって

トレンド、医療、政治、趣味について書いていきます

新型コロナと若者の死

世界全体での傾向ではありますが、最近のカナダでも新型コロナウイルスの感染者数が再び増加傾向を示しています。
 2020年10月6日にはケベック州では外出自粛を求められる事態になり、(参照CBCニュース:With COVID-19 surging, Quebec health minister calls on entire province to stay home )、またオンタリオ州の一部の地域では、10月13日からレストラン内での飲食やジム、映画館、大会議場などが一時的に閉鎖されることが発表されました。
 
 知人の住んでいるブリティッシュコロンビア州では、現在のところ規制は厳しくなっていませんが、この様子を見ると、また薬を買いだめする人が薬局に殺到し、春先のような忙しさになるのではないかと嫌な予感がしてきます。しかも今回は、インフルエンザの予防接種が、その忙しさに追い打ちをかけることになるので、マンパワーを管理する立場にある薬局長としては気が気でなりません。

 その上、薬の買いだめのために仕事量が激増した今年の春、喜怒哀楽を共にしながら仕事をしていた薬剤師の方が、今はいません。24歳という若さで、8月の終わりに急逝したのです。死因は脳動脈瘤破裂によるものと報告されており、彼女のルームメイトによると、頭痛がするといって普段よりも早い時間に就寝し、翌朝には息を引き取っていたそうです。

 Sさんは、2019年の春に大学を卒業したのと同時に薬剤師免許をし、今年の2月に私の薬局で働き始めました。もともとおっとりとした性格でしたが、3月の非常に多忙な頃に新人薬剤師として一生懸命に仕事を覚え、夏に入ってようやく患者さんにも顔と名前を覚えてもらえ始めた直後の出来事でした。

 他の薬剤師やアシスタントにとってもこのショックは大きく、しばらく物静かな状況が続きました。薬剤師として、薬を通して死に至るまでのプロセスに関わることは普通ですが、いざスタッフの死となると誰もがその対処の方法を知りません。本来多くの友人が駆けつけたであろうお通夜(英Viewing)やお葬式(英Funeral)は、新型コロナウイルスに伴う大人数の集会の規制のため、行われませんでした。

 個人的には、遅かれ早かれ人は亡くなることをよく理解しているつもりですが、まさか私よりも約20歳も若い薬剤師が急に亡くなってしまったのは、やはりショックでした。

 バンクーバーブリティッシュコロンビア大学で学生生活を送った若者が、野生の「シカ」の往来が激しい田舎町に1人でやってきて、さぞかし寂しかったかと思いきや、ルームメイトに恵まれ、半年間の間に性格が明るくなっていったようにも見えました。彼女の死が判明した後、仕事のボリュームは適切であったか、また仕事上のストレスがなかったかなど質問を受けましたが、心当たりはまるでありません。むしろ楽しそうだったのです。

 若い薬剤師として、本当のキャリアはこれから始まるという時期での急逝は、残念で仕方ありませんが、大切な思い出を胸に、1年で最も忙しいインフルエンザの予防接種を乗り越え、また新型コロナの時代を生きていかなければと思っている今日この頃です。

 


 

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