英国、新型コロナワクチンを緊急使用許可、世界初続き
──mRNAワクチンの作用機序について教えてほしい。
Ugur Sahin(BioNTech社CEO) 一般的には、細胞内で抗原蛋白質を発現し、抗体の産生を促すだけでなく、細胞性免疫も引き起こし、数カ月、1年の免疫が得られると考えられている。
──人種や年齢によって有効性に差は無いか。
Ozlem Tureci(同社Chief medical Officer) 数日以内に論文が公表されるが、人種や性別、年齢などで、有効性に違いは見られていないと認識している。
──発症予防効果はどのぐらいの期間維持されるのか。
Ozlem Tureci BNT162b2の第3相臨床試験では、今後、2年間超にわたり、観察期間を続けて安全性、有効性を評価する。発症予防効果がどのぐらいの期間続くかについては、観察期間でフォローアップすべきことの1つだと考えている。
──感染予防効果についても評価するのか。
Ozlem Tureci 感染予防効果については、BNT162b2の第3相臨床試験の中で、今後3カ月から6カ月かけて、バイオマーカーを用いて評価を行う予定だ。
──長期保存には、-70℃という超低温での保存が必要になるが、同じmRNAワクチンでもより高い温度での保存が可能なものもあるようだ。
Ozlem Tureci 2020年7月末にBNT162b2の開発を決めた時点で得られていた安定性試験のデータは限られていた。2021年1月、2月になればさらなる安定性試験のデータが出るだろう。
──今回は緊急使用の一時的な許可だが、正式承認はどうなるのか。
Sean Marett(同社Chief Commercial Officer) 英国では緊急使用の許可が得らえたが、あくまで一時的なものであり、当然正式承認に向けた計画もしている。
──新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が変異した場合、BNT162b2の有効性は。
Ugur Sahin 我々は、SARS-CoV-2の20以上の変異株を用いて評価を行ったが、全ての変異株に効果を発揮することを確認している。スパイク蛋白質遺伝子の全長を標的抗原としたことによって、将来の変異株にも対応できるのではないかと考えている。
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