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あしたへ向かって

トレンド、医療、政治、趣味について書いていきます

皮膚科外来に「虫刺され」の患者が増えたワケ

f:id:syrup_97:20210722052134j:imageお題「便利家電」

 


 

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6月の後半は本当に忙しい毎日でした。そう、ワクチン接種がスタートしたからです。

 ワクチン予約の初日は大混乱で、聞くところによると、夜中からずっと並んでいた高齢者もいたとかききました。

 私たちが出勤してきた朝には、予約希望の人が長蛇の列になっていました。混雑を目の当たりにしたとき、最初は何が起こっているのか分からず、戸惑いました。電話も鳴りっぱなしで、対応に追われてどこも大変だったようです。

 しばらくすると、混雑は収まりましたが、今度は実際の接種が始まり、準備に追われることになりました。看護師さんたちが集まって、注射器にワクチンをセットしていきます。バイアルに生理食塩水を入れて、そっと混ぜて、シリンジに吸って、気泡を除去して……と。バイアルから吸ってすぐ接種できるわけではないのと、mRNAという不安定なワクチンなので、みんな神経を使いながらワクチンを作っていたとききました。

 混乱の中、接種がなんとか進んでいき、しばらくたったころ。梅雨も本格化し、雨が続いていました。そして急に、皮膚科外来に、「虫刺され」の患者さんが増えたとのことです。

 

「虫に刺されたんです。かゆくて痛くて……」
「今日はどうされました?」
「あ、虫に刺されたんです!かゆくて痛くて!」

 見せていただくと、左上腕の肩付近から10センチ近く腫れていました。

虫刺されには見えず、
「あのー、もしかして、ワクチン、打ちました?」
と尋ねると、
「え? あ、ワクチン……、打ちました」。

「ワクチンによる腫れですね」
と言うと、
「えっ!? そんなことってあります?」
 

 

私とかからすると、見慣れた、各種ワクチン後の上腕の腫脹なのですが、ご本人は、ワクチンのせいではないのでは?と疑っています。

「だって打ったの、1週間前なんですよ? 今頃腫れます?」

 これは私も最初知らなかったのですが、何人も同じような方が来て分かりました。コロナワクチンは、打った当日、翌日ではなく、4~5日たってから腫れることが多いようです。

 そのせいか、ワクチンとの因果関係に思い至らず、「腕が腫れた」と言って来院する方が何人もいました。そしてなぜか、皆、「虫刺されです」と主張するのです。

 虫刺されじゃなくてワクチンです、と説明するのですが、なかなか受け入れてくれないことも多かったです。

 

 と同時に、虫刺されの人もたくさん。庭掃除をしていて蚊に刺された、ノミに刺された、マダニに刺されて腫れた……などなど。

 こんなことが頻繁にあるので、「虫刺され」と書かれて、言われていたら、

……ワクチン? 帯状疱疹? それとも本当の虫刺され?……

 

今日この頃です。