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あしたへ向かって

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後発品企業への「念書ルール」に疑問

 先日、厚生労働省後発医薬品の薬価収載についてルールを厳格化するという通知を、日本製薬団体連合会会長宛てに出したと報道されました。内容としては、製造販売業者が薬価収載から5年以内に供給不足を起こした場合、業者は自発的に収載を2回見送るというもの。

 

そもそも、供給不安の一端は、薬価を下げるだけ下げた結果起こったことという認識が国にはあるのかという点が気になりました。後発品企業をたたくだけたたいて、不備が出てきたら、自主的に退場させるような仕組みを作るのがお上の仕事かと、理不尽さを感じずにはいられません。

 先発、後発を問わず、医薬品全般でこれだけ供給不安が日常になっているのですから、それに対するペナルティーではなく、供給不安が起こる前提で考えておく、準備をしておくことが大切ではないかと私個人的には考えています。具体的には、供給不安が起こった際の対応を整備しておくことではないでしょうか。例えばですが、調剤が柔軟に行えるよう、規格の選択、複数企業の製品での調剤を可能すること、後発医薬品調剤体制加算の除外などの整備をしておくことです。

何事も柔軟に。

 

 

医薬品に適正な薬価をつけることが、こうした供給不安を起こさないようにするための一番の方策ではないでしょうか。価格が安いことが後発品の最大のメリットではありますが、供給が不安定になるような価格設定にそもそも無理があると思います。

 いずれにしても、企業にのみ責任を押し付けるようなやり方はやめるべき。医療を市場原理で動かしているツケが出てきているのでは、適切な介入が必要なタイミングではないかと考えています。