長生堂製薬に31日間の業務停止命令
長生堂製薬に31日間の業務停止命令
島県は2021年10月11日、長生堂製薬(徳島市)に対し医薬品医療機器等法(薬機法)に基づき21年10月12日~11月11日まで31日間の業務停止処分を通達した。
業務停止処分は、医薬品製造業(本社工場)と第1種医薬品製造販売業および第2種医薬品製造販売業に対して31日間、医薬品製造業(本社第二工場)に対して21年10月12日~11月9日の29日間、医薬品製造業(川内工場)に対して21年10月12日~10月29日の18日間。
しかし、(1)安全対策業務、(2)製造設備の維持管理に係る業務、(3)製造管理および品質管理の改善に係る業務、(4)業務停止命令除外品目(医療上の必要性が高く、事前に徳島県の了解を得た品目)の製造および出荷に関わる業務――については除くとしている。
業務停止命令除外品目は、次の14品目。
業務停止命令除外品目(計14品目)
・アゾセミド錠30mg「JG」、同60mg「JG」
・サラゾスルファピリジン腸溶錠250mg「CH」、同250mg「日医工」
・サラゾスルファピリジン腸溶錠500mg「CH」、同500mg「日医工」、
同500mg「武田テバ」
・セパミット-R細粒2%
・タチオン錠50mg、同100mg
・ノベルジン錠25mg、同50mg、同顆粒5%
・メラトベル顆粒小児用0.2%
医薬品製造業における違反内容は、以下の4点。
1)承認書と異なる製造方法による製造を行った。また、虚偽の製造指図書、製造記録、出納記録および試験成績書を作成し、製造管理の結果を適切に品質部門に報告しなかった。製造手順などについて、製品の品質に大きな影響を及ぼす恐れのある変更時に必要な変更管理を行わず、必要なバリデーションも適切に実施しなかった。製造手順などからの逸脱が生じた場合の内容を記録せず、逸脱による製品の品質への影響も評価せず所要の措置を講じなかった。
2)安定性モニタリングの結果、承認規格を逸脱しているが自社で定めた手順に基づき処理をしなかった他、所要の措置を講じなかった。また、このことについて医薬品製造管理者から意見申述されているにもかかわらず製造業者は当該意見を尊重しなかった
3)医薬品製造管理者は、安定性モニタリングの試験結果不備を認識していたにもかかわらず、その製造所に勤務する従業者を適切に監督せず、必要な注意を怠った
4)添加物の分量が承認事項と異なる医薬品を製造した
第1種および第2種医薬品製造販売業における違反内容は、以下の4点で、
1)安定性モニタリングの結果が規格を逸脱していると知りながら、回収や工場に対する必要な措置等を講じなかった。品質保証責任者は、総括製造販売責任者に必要な報告をしなかった
2)総括製造販売責任者に対して品質に関する重要な情報を意図的に与えず、品質保証部門などを適切に管理監督させなかった
3)製造販売する医薬品について、承認書と製造実態等が異なるにもかかわらず、承認事項の変更などに係る承認取得または届け出の必要な薬事手続きを行わなかった
4)添加物の分量が承認事項と異なる医薬品を販売した
徳島県は、2021年5月24日~6月11日と6月15日に同社に立ち入り検査を実施。検査品目574品目のうち233品目に不備が見付かった。内訳は、承認書と異なる製造等を行っていたのが44品目、記録上の誤記載など軽微な不備が認められたのが189品目。
これら233品目について徳島県は、いずれも承認書に定められた製品規格に適合しており、現時点で健康被害の報告はないとしている。
長生堂製薬は2021年5月、製造する31品目について安定性試験結果の処理に不適切な取り扱いがあったため自主回収(クラスⅡ)を行っており(関連記事:日本ジェネリック、長生堂の19品目を出荷調整)、以降も自主回収を繰り返して
た。
【関連資料】
・長生堂製薬:医薬品医療機器等法に基づく行政処分について
・徳島県:県内製薬会社に対する行政処分について
参照
最後に
新薬発売で最もお金、コストがかかるのが、治験です。