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あしたへ向かって

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2019-nCoV感染症は瞬く間に世界に広がってしまった

 中国湖北省武漢市で発生した2019-nCoV感染症は瞬く間に世界に広がってしまった。米国CDCのEpidemic Intelligence ServiceのMichelle L. Holshue氏らは、米国初の2019-nCoV感染確定例について、疫学的、臨床的な特性を2020年1月31日に報告したことも全記事でかいたように記憶している。患者は、受診時には軽症だったが、発症から9日目に肺炎に進行した。患者が下痢をした時点で採取した便標本にも2019-nCoVは検出されたが、血清標本からはウイルスは検出されなかったときいたからびっくりである。そして治療には、エボラウイルス用の治験薬が実験的に投与された。

 2020年1月19日、35歳の男性がワシントン州スノホミッシュ群の救急診療所を訪れた。4日前から咳と発熱があり、受診時にはマスクを着用していた。待合室で約20分待った後に診療室に入った。患者は旅行で武漢市を訪れ、1月15日にワシントン州に戻ったことを明らかにした。CDCが発表した、中国での新型肺炎発生に関する注意喚起を見たために受診した、と自主申告からの受診であった。

 患者には高トリグリセリド血症以外の病歴はなく、健康で非喫煙者だった。受診時の体温は37.2度、血圧は134/87mmHg、心拍数は110回/分、呼吸数は16回/分で、室内気での酸素飽和度は96%だった。肺の聴診ではrhonchiが聴取されたが、胸部X線画像には異常は見られなかった。インフルエンザの迅速検査はA型もB型も陰性だった。鼻咽頭スワブを検査室に送り、核酸増幅試験で呼吸器感染症の原因になり得るウイルスの検出も試みたが、インフルエンザ、パラインフルエンザ、RSウイルス、ライノウイルス、既知の4種類のコロナウイルス(HKU1、NL63、229E、OC43)はどれも陰性だった。

 患者の渡航歴に基づいて、医師たちは地区と州の保健局に報告し、そこからCDCの危機対応センターに報告された。患者自身は、武漢市滞在中に華南海鮮市場には行かず、病人と接触した覚えもなかったが、CDCは2019-nCoV感染の有無を検査することに決定した。患者の血清と鼻咽頭スワブおよび口腔咽頭スワブを採取した後に患者は帰宅し、地区の保健局の能動的監視の下に自宅隔離とされた。

 

 1月20日、RT-PCR検査で両スワブが2019-nCoV陽性になったことから、CDCは患者を空気感染隔離ユニットに入院させ、観察を開始した。その時点で患者は、2日にわたって乾性咳嗽と吐き気・嘔吐があると申告であった。息切れや胸痛はなかったと申告。バイタルサイン(体温、血圧、心拍(脈拍)、呼吸、意識、尿量)は正常域にあった。診察では粘膜の乾燥が見つかった以外の異常所見は見当たらなかった。患者には、生理食塩水2Lと吐き気用のオンダンセトロンによる対症療法が適用された。

 入院の2日目から5日目まで(発症から6日目から9日目まで)は、間欠熱と頻脈が認められたが、バイタルサインはほぼ安定していた。乾性咳嗽と疲労感は続いていた。入院2日目の午後から、軟便と腹部不快感を訴えた。夜間にも下痢があった。便、鼻咽頭と口腔咽頭スワブ、血液を採取して、RT-PCR検査を行ったところ、便と呼吸器標本は2019-nCoV陽性である一方で、血清は陰性だった。

 この段階でも基本的に対症療法が行われていた。必要に応じて解熱薬(アセトアミノフェンイブプロフェン)、鎮咳薬(グアイフェネシン)を投与し、入院初日から6日後までに生理食塩水6Lが投与されていた。

 最初は隔離ユニット内でできる検査は限られていたが、入院3日目から全血球計算と生化学検査ができきるようになった。入院3日目と5日目の検査では、白血球減少症、軽度の血小板減少症、クレアチンキナーゼ値の上昇が認められた。5日目には、アルカリホスファターゼ、ALT、AST、LDHの値が上昇していた。発熱を繰り返していたため、入院4日目に血液培養を行ったが、陽性にはならなかった。

 入院3日目の胸部X線画像は浸潤も異常陰影も見られなかったが、5日目の画像には左肺の下葉に肺炎の徴候が見られた。5日目の夕方には呼吸状態が変化し始め、室内気での酸素飽和度が90%に下がり、6日目には、鼻カニューレを用いて2L/分の酸素投与を開始、院内感染肺炎の可能性もあったため、バンコマイシンとセフェピムの投与を開始した。

 入院6日目の胸部X線画像では、両肺に非定型肺炎様の陰影が見られた。両肺からralesが聴取された。発熱が続いており、複数部位からの標本が2019-nCoV陽性であったため、入院7日目からcompassionate useとして開発中の抗ウイルス薬レムデシビル(ヌクレオチド類似体プロドラッグで、エボラ出血熱を対象に開発されていたが、臨床試験で十分な効果が見られなかったため、この適応症に対する開発は中止されていた)を投与し始めた。複数回のプロカルシトニン測定で上昇が見られず、鼻スワブMRSA陰性であったため、バンコマイシンは7日目の夕方、セフェピムは8日目に投与を中止した。

 入院8日目から患者の臨床状態は改善に向かった。酸素投与を中止しても、室内気の酸素飽和度は94~96%に戻った。両肺のralesは聴取しなくなった。食欲も回復し、乾性咳嗽と鼻漏以外の症状はなくなった。入院11日目の20年1月30日の時点で、患者はまだ入院していたが、発熱もなく、咳嗽も軽度になっていたとのこと。

 鼻咽頭スワブおよび口腔咽頭スワブ中のウイルス量は、発症から4日目、すなわち初回受診日が最も多く、その後徐々に低下し、口腔咽頭スワブは12日目に陰性化した。どの時点でも鼻咽頭スワブの方がウイルス量は多かった。発症から7日目では、便サンプルもウイルス陽性になったが、血清サンプルは2回とも陰性だった。

 この症例は、2019-nCoV感染症患者の治療に関する臨床情報を迅速に公表することの重要性を示唆したことになる。

 

この症例から最初は軽度で発症から9日目に肺炎に進行し12日目から治癒に向かうということがわかった。

 

 最後に、いま社会はストレス社会であるため、ストレスをためない、しっかり睡眠急にをとることが大切だと考える。

 

confessiondemasque.hatenablog.com

 過去にも睡眠に関してレビューしたため、読んでもらいたい。

L-テアニン↓もリラックスできていいです。

 

 

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