9月
9月になり少し落ち着いてきましたが、今年は熱中症患者が多いです。
肌寒くて長い梅雨が明けた途端、35℃超えの猛暑が始まり、身体の準備ができていないケース、いわゆる暑熱順応不足が多いのでしょう。
さらに新型コロナ騒ぎに意識がもっていかれ、熱中症対策が例年に比べおろそかになっているのも影響していると思われます。身体も心も準備不足なのでしょうか?
病院で点滴だけで元気になって帰宅される方から、3次救急で搬送されICU管理が必要になる方、さらには建築現場でCPAに陥ってしまい蘇生処置をされながら搬送される場合まで、例年になく多くの熱中症患者が運び込まれましたが
当たり前ですが、本人や家族、救急隊から熱中症疑いとして応需した患者が、必ず熱中症であるわけではありません。体温が高くなる病態。
さらに、転院搬送で紹介元の医療機関が、熱中症と診断してきた症例でも、本当にそうなのかどうかは必ず立ち止まって考え直す必要があります。
診察の結果、実は何らかの感染症だった、あるいは感染症が先にあって、具合が悪くなったため熱中症を合併したという症例は、よくある話ですが、さらに、今年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)合併の確認“という要素が加わります。
救急外来で患者が立て込んでくると、ついつい結論を急ぐあまり先入観にとらわれ、確定診断を決めつけて、“コロナ否定、よって多分熱中症!“なんて結論を出しかねませんよね。
忙しい時に限って思わぬ落とし穴に陥る、日常でもあるある事例ですよね。