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あしたへ向かって

トレンド、医療、政治、趣味について書いていきます

ブルーインパルスを眺める薬剤師の胸の内

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療機関介護施設の従事者に対して、労金が給付されることになりました。都道府県が設定する医療機関等に勤務し、新型コロナウイルス感染症COVID-19)の患者と接する医療従事者や職員には最大20万円、その他の病院、診療所等に勤務して患者に接する場合には5万円とのこと。では薬局の場合はどうなのかと言えば、その対象外とされており、SNS交流サイトなどで大きな話題になっていたようです。

 この医療機関に薬局が入っていないことに対しては、「薬局は医療機関ではなかったのか」といった疑問の声が上がっています。ここ最近、薬剤師の対人業務について盛んに言われているので、そうした部分を評価されないことに落胆する人もいるでしょう。

 一方で、「薬局の薬剤師は何もやっていないのだから慰労金の対象から外されるのは当然」「本当にリスクにさらされた人に支給されるべき」といった声も聞こえてきます。そうした賛否の声とは別に、「薬局が一律支給対象外となったのは政治的な判断であり、薬剤師(会)の政治力のなさが原因だ」と指摘する人もいます。

 個人的にはどの意見にも賛同する部分もあり、また賛同しきれない部分もあると感じています。ですので、この問題についてはあえて距離を取り、コラムで賛否について論じるのは避けます。ただ1つ、同意できなかったのは「薬局が慰労金の対象外になったというのは薬局の努力不足であり、それに対してエビデンスを出すべきだ」という主張に対してです。慰労金の性質を考えますと、そもそもエビデンスの対価ではないでしょう。どちらかと言えば、“気持ち”に近い部分があるものだと思います。

 一連の議論を見ていて、こうした構図、どこかで見たことがあるなと思い、もやもやとした思いを抱えながらここ数日を過ごしていたところ、ようやく思い出しました。

 それは、今回の感染拡大で影響を受けた中小企業や個人事業主向けの「持続化給付金」の対象から、性風俗産業が外れていたことです。いわゆるソープランドやラブホテルなどは「性風俗関連特殊営業」とされ、当初は持続化給付金の対象外となっていました(現在は個人事業主としてそこで働く人は対象となっているものの、法人は対象外になっています)。

 慰労金と給付金という違いはあれど、同じ構図ではないでしょうか。求められるけれど認めてもらえない――。薬局もそんな都合のいい存在なのではないか?・・・・・・などと思ってしまったのは、考え過ぎでしょうか。

 先日、医療従事者への感謝を込めて航空自衛隊ブルーインパルスが飛んだことがニュースになりました。私は直接見ることはできませんでしたが、感激の気持ち(今どきに言えば「エモい」ですね)でその映像を見ていました。ただ、今回、薬局が慰労金の対象外になった話を聞き、それすらも、何を一人誇らしげになっていたのかと、ちょっとさみしい気持ちになってしまいました。