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あしたへ向かって

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レジ袋有料化から1週間が経過

レジ袋有料化から1週間が経過して

 

2020年7月1日からレジ袋の有料化が実施されています。1週間ほどが経過しましたが、読者の皆様の薬局ではどのような状況でしょうか。私のところは以前にも話題にした通り、大きさに関わらず1枚3円に設定しました。7月1日初日は2枚販売し、その後も1日数枚の購入希望があります。

 「今月から1枚3円かかります」と伝えると、ほとんどの患者さんが「ではそのまま持っていきます」と言います。話を伺ったり様子を見たりしていると、しっかりとマイバッグを持参する人、マイバッグではないけれどかばんに入れていくという人、そのまま持っていく人と様々です。移動手段が車であれば、「車まで持っていくだけだから」とレジ袋を断る人も少なくありません。これは地域性ですね。

 患者さんとの話に集中していると、これまでの習慣から薬袋などをレジ袋につい入れてしまって慌てて取り出すこともありました。また私の薬局は「レジ袋が有料になりました」と、どのタイミングで伝えるかが定まっておらず、ややぎこちなさが出る場面もありますが、現在のところ大きなトラブルはないようです。

 これは私のところの患者さんの話ではないのですが、「1枚3円のレジ袋なら、毎日もらっても年間1000円程度。必要なものにはお金を出します」という人もいるようですね。また新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響もあり、感染予防対策という観点からお金を払っても袋をもらうという人もいるかもしれません。

 今後は誰がレジ袋に薬を入れるのかということも、問題になってくるかもしれません。薬袋のリサイクルもそうですが、処方箋と一緒にマイバッグを渡されて、それがものすごく汚れていて躊躇(ちゅうちょ)した経験をお持ちの方も少なくないでしょう。

 気を付けなければならないのは、袋を断ること、マイバッグを持参することが善で、レジ袋をもらう人が全て悪ではないということです。たった1枚のレジ袋ですが、環境への配慮という観点だけではなく、様々な価値観がそこにはあります。

 もう1つ感じたのは、レジ袋の数円でこれだけ人の行動は変わるのかという驚きです。単純に比較できないかもしれませんが、お薬手帳を持参しないと10~40円負担増、金額的にはレジ袋の10倍以上にもなります。しかしそれをアナウンスしても、ここまで大きな変化がなかったと個人的には感じていますので、両者の違いは何に起因するのか、改めて考えさせられます。

 人間の行動というのは、単純に金額の大小だけで決まるのではないということ、また極めて不合理なものだということがよく分かり、とても興味深く感じました。