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あしたへ向かって

トレンド、医療、政治、趣味について書いていきます

インフルエンザの報告数は24週連続でゼロ

日本紅斑熱 過去最多ペースで感染者が増加

 

2020年第42週(10月12~18日)までの情報をまとめた。 インフルエンザ  インフルエンザの第42週の定点当たり報告数は0.00人。世界的にもインフルエンザウイルスの検出数が非常に少なくなっているが、世界保健機関によると、検出されたウイルスの大部分はA香港(H3N2)型だ。 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎  A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の第42週の定点当たり報告数は0.75人で、前週から減少した。定点当たり報告数が多い都道府県は、福岡県( 2.39)、鳥取県(2.05)、宮崎県( 1.75)など。 RSウイルス感染症  あと、例年、秋から冬にかけて流行するRSウイルス感染症だが、今年は依然として報告数が少なく、第42週の定点当たり報告数は0.09人だった。その中で、鹿児島県と沖縄県での報告数が突出して多く、それぞれ2.67人、2.65人だった。 感染性胃腸炎  感染性胃腸炎の第42週の定点当たり報告数は1.71人で、過去5年の同時期よりもやや少ない。定点当たり報告数が多い都道府県は香川県(3.46)、大分県(3.28)、福井県(2.52)などとなっている。 咽頭結膜熱  今年は例年よりも報告数が少ない咽頭結膜熱。第42週の定点当たり報告数は0.13人だった。定点当たり報告数が多い都道府県は鹿児島県(0.43)、北海道(0.33)、福島県(0.32)など。

日本紅斑熱◎→過去最多ペースで感染者が増加  日本紅斑熱の感染者が過去最多ペースで増加している。2020年第42週(10月12~18日)までの累積患者数は348人で、年間最多となった2017年の337人を超えた。  

日本紅斑熱はダニ媒介性疾患の1つで、感染症法で4類感染症に指定されている。リケッチアの一種Rickettsia japonicaを保有するヤマアラシチマダニなどのチマダニ類に刺咬されることで感染し、2~8日の潜伏期間を経て発症する。主訴は発熱と発疹で、マダニの刺し口と黒色の痂皮が特徴となる。播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併し、多臓器不全から死亡に至るケースもある。  患者の発生はマダニの活動が活発になる4月頃から見られ、9~10月にピークを迎える。かつては年間届出数が100人に満たなかったが、2007年頃から増加し、近年は300人を超える状況が続く。

また、感染地域も西日本から全国各地へ広がりつつある。福島県立医科大学総合内科・臨床感染症学講座の山藤栄一郎氏は「マダニが吸着する鹿などの大型哺乳動物の生息地が拡大したことで感染地域が広がり、また医師における疾患への認識が向上したことで報告、患者数も増加している可能性がある」と話す。

 鑑別疾患にはつつが虫病や重症熱性血小板減少症候群SFTS)などの他のダニ媒介性感染症が挙げられるが、これらを臨床的に鑑別するのは難しい。だが、治療の遅れが重症化につながるため、日本紅斑熱を疑う場合は検査結果を待たずにテトラサイクリン系抗菌薬を開始する。  現時点では、ワクチンなどによる発症予防法はなく、マダニの刺咬を防ぐことが重要となる。そのため、流行地における林業や農作業などで野山や畑に立ち入る場合には、皮膚の露出を防ぎ、マダニ忌避剤も使用するようしたい。