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あしたへ向かって

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新興感染症の医療計画への追加、考え方案

 厚生労働省は2020年12月3日、「医療計画の見直し等に関する検討会」を開催し、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応を踏まえた今後の医療提供体制の構築に向けた考え方(案)」と、「外来機能の明確化・連携、かかりつけ医機能の強化等に関する報告書(案)」を提示し、同検討会で了承された。前者では、2024~2029年度の第8次医療計画から新興感染症等の感染拡大時の医療を医療計画の記載事項として6事業目に位置付けるとした。後者では、外来機能報告制度(仮称)の創設などを盛り込んだ。

 新興感染症等について第8次医療計画に盛り込まれる具体的な記載事例は表1の通り。「平時」と「感染拡大時」に分けて取り組み事項を記載し、今後、厚生科学審議会感染症部会等における議論の状況も踏まえつつ、記載項目や施策の進捗状況を確認するための数値目標等について、具体化に向けた検討を進める予定。

 

 

委員からは、「感染症法に基づく『予防計画』と『医療計画』のすみ分けが分かりにくい」といった指摘が挙がった。これに対し厚労省は、「感染症法の予防計画では感染症患者の対応について、医療法の医療計画では感染拡大時に感染症以外の患者にどのように対応していくかといった視点が大きくなる。明確に切り分けることは難しいので、抜け落ちる部分が出ないように、調整しながら医療計画に盛り込んでいく」とした。感染症法に基づく「予防計画」とは、感染症法第10条に基づき、国が定める感染症予防の総合的な推進を図るための基本的な指針(基本指針)に則して、都道府県が定める施策の実施計画のこと。
「医療資源を重点的に活用する外来」の報告事項は今後検討
 厚労省は同日、「外来機能の明確化・連携、かかりつけ医機能の強化等に関する報告書(案)」についても報告し、大筋で合意された。今後、社会保障審議会・医療部会に報告される。

 これにより、各医療機関都道府県に対し、外来機能のうち「医療資源を重点的に活用する外来(仮称)」に関する医療機能の報告(外来機能報告)を行うことになる。同外来で想定されているのは、(1)医療資源を重点的に活用する入院の前後の外来、(2)高額等の医療機器・設備を必要とする外来、(3)特定の領域に特化した機能を有する外来(紹介患者に対する外来等)――。対象の医療機関は、一般病床または療養病床を有する医療機関を基本とし、無床診療所については任意とした。

 委員からは呼称について、「国民目線でのネーミングを考える必要がある」「実際の内容が分かるような名前とすべきである」といった意見が相次いだ。呼称や具体的な報告事項については、地域医療の担い手も参画して、専門的に検討を進める場で検討される予定となっている。

 (2)の高額等の医療機器・設備を必要とする外来について、CTやMRIの台数規制につながるような仕組みに今後なるのではないかといった委員からの指摘に対し、厚労省は、「日本には多くのCTやMRIがあったため、COVID-19の重症化を発見できた。今後の検討にはなるが、現時点で台数規制は考えていない」と回答したという。

表1 「新興感染症等の感染拡大時における医療」に関する記載項目(案)
(出典:第24回医療計画の見直し等に関する検討会資料)

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