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あしたへ向かって

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怒号を浴びる医療従事者

発熱の相談を受けた薬局薬剤師は約半数

 

新型コロナウイルス感染症が流行する中、インフルエンザやかぜの患者が増加する冬を迎え、発熱患者の診療や検査に関する新たな体制が整備されている。「熱が出た」「新型コロナかもしれない」と相談されたときに適切に情報提供できるように、今冬の診療・検査体制を把握しておこう。

 

札幌や東京、大阪といった都市部を中心に、全国的に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者数が急増している。第3波の様相を呈する中、薬局で患者や地域の人たちから、「発熱した」と相談されたら、受診手順などについて、どのようにアドバイスをしているだろうか。

 日経ドラッグインフォメーションOnline(DI Online)の薬局薬剤師会員を対象に実施した調査では、来局者などから「COVID-19を疑う症状について相談されたことがある」と回答した割合は47%に上った。疑わしい症状が出た場合にどうしていいか分からず、薬局に相談しようと考える人は案外多いよう。私もこわい。

 

薬局としては、相談されたときに的確なアドバイスができるよう、診療・検査体制について最新の情報を把握しておきたい。

 

発熱の相談はかかりつけ医

 実は、発熱などのCOVID-19を疑う症状が発現したときの相談先は、2020年9月以降変更されている。

 従来は、発熱などの症状がありCOVID-19が疑われる患者は、主に保健所などが設置する「帰国者・接触者相談センター」に電話で相談し、必要に応じて「帰国者・接触者外来」を受診、検査を受けるといった流れだった。また、診療所などを受診した患者でCOVID-19が疑われ、医師が検査の必要性を認めた場合は、都道府県によって指定された医療機関や「地域外来・検査センター」に紹介され、診療、検査を受けるといった体制だった。

 その流れを大きく変化させ、新たな体制を整備するよう示したのが、20年9月4日に厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部が発出した「次のインフルエンザ流行に備えた体制整備について」の事務連絡だ。冬季には、発熱などを訴える患者が増加し、COVID-19とインフルエンザの同時流行(ツインデミック)も心配される。インフルエンザなどは、症状だけではCOVID-19との鑑別が難しく、従来の保健所を中心とした相談・診療・検査提供体制では、多数のCOVID-19疑いの患者に迅速に対応することが困難だ。そのため、最初にかかりつけ医など身近な医療機関が対応する仕組みに転換する方針が示されたのだ。

 新たに整備されている、COVID-19が疑われる患者についての相談・診療・検査体制は通り。発熱などの症状がある患者はまず、かかりつけ医など身近な近隣の医療機関に、電話で相談する。相談を受けた医師は、患者の症状などから検査の必要性などを判断。その医療機関がCOVID-19疑い患者の診療・検査を行っていれば、患者はそこを受診して検査を受ける。発熱患者の診療・検査を受けていない医療機関であれば、可能な医療機関を案内し、患者はその医療機関を受診することになる。

 

かかりつけ医を持たない人の相談は、都道府県が設置する「受診・相談センター」が受け付ける。この名称は自治体によって異なることがあるため、あらかじめ調べて、来局者からの質問に答えられるようにしておきたい。

 大切なことは、まずは必ず電話で相談すること。くれぐれも、かかりつけ医や救急外来などを直接訪れることのないよう、日ごろから薬局を利用する人たちにむけて発信したいと思う。

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