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あしたへ向かって

トレンド、医療、政治、趣味について書いていきます

G7コーンウォール・サミット

◇ 2021年6月、G7サミット(主要7カ国首脳会議)がイギリスのコーンウォールで開催された。今回の会合は対面形式での開催となった。 → 2020年のG7サミットは、アメリカでの開催が予定されていたが、開催にまでいたらなかった。

◇ 今回のサミットでは、新型コロナウイルス感染症対策や気候変動、中国やロシアへの対応などが議論された。 ◇ サミットの最終日に首脳宣言が採択された。 → G7サミットにおける本格的な首脳宣言が採択されるのは3年ぶりのこととなる。2019年のG7ビアリッツ・サミット(フランス)では、アメリカのトランプ大統領(当時)の保護主義的政策のため、他国の首脳との溝が埋まらず、きわめて簡単な文書が採択されたにとどまった。

◇ 首脳宣言の主なポイントは以下のとおりとなる。 【前文】 ◇ 我々は、世界中で新型コロナウイルスに打ち勝ち、全ての人のためにより良い回復を図ることにコミットする。 ◇ 国際協力、多国間主義及び開かれ、強靭なルールに基づく国際秩序に基づいて、グローバルな行動を行なう。 ◇ 我々はコーンウォールで、開かれた社会の価値と役割に関する共通の声明で一致した豪州、インド、大韓民国及び南アフリカの首脳の参加を得た。

【保健】 ◇ 我々は、2022年中にパンデミックを終息させるという共通の目標を設定する。 → 2022年中にパンデミックを終息させるためには、世界の人口の少なくとも60%への予防接種が必要であり、我々は行動を強化する。 ◇ 我々は、最貧国(途上国)にワクチンを供給する多国間枠組みであるACTアクセラレータ(ACT-A)及びそのCOVAXファシリティへの支援を再確認する。 ◇ 日本とGaviワクチン・アライアンスの共催により成功を収めた「COVAXワクチン・サミット」の成功を歓迎する。 ◇ 資金及び現物供与を通じて、2022年にかけて10億回分のワクチンが供給されることになる。 【経済回復及び雇用】 ◇ パンデミックの影響を緩和するため、必要な期間にわたり経済への支援を継続し、将来に向けた強固で、強靭で、持続可能で、均衡ある、かつ包摂的な成長の促進に移行させる。 → 回復が確かなものとなれば、財政の長期的な持続可能性を確保する必要がある。 ◇ 我々の経済成長及び回復の中心にあるのは、グリーン及びデジタルの分野での変革である。 ◇ 我々は、世界規模で公正な課税システムについて、6月5日のG7(主要7カ国財務相会合)による歴史的なコミットメントを承認する。 → G7(主要7カ国財務相会合)では、国際課税の新ルールで合意し、国際的な法人税の最低税率を「15%以上」とすることなどを明記した共同声明を採択した。

【自由で公正な貿易】 ◇ 我々は、ルールに基づく多角的体制の基本原則及び目的として、自由で公正な貿易に合意する。 ◇ 我々は、農業、太陽光、衣類の部門におけるものを含め、グローバルなサプライチェーンにおいて、国家により行われる脆弱なグループ及び少数派の強制労働を含むあらゆる形態の強制労働の利用について懸念する。 → 我々は、個人を強制労働から守り、グローバルなサプライチェーンが強制労働の利用に関わらないことを確保するため、我々自身が利用できる国内的手段及び多国間機関を通じて協働し続けることにコミットする。 ◇ 不公正な慣行から保護するためのルールの強化、交渉機能及び紛争解決制度の適切な機能を含め、WTOにおいて、より広範な加盟国と協働する。

【将来的な先端領域】 ◇ 開かれた社会を支えグローバルな課題に対処する上での技術の役割を議論する「未来技術フォーラム」を開催する。 ◇ データ保護の課題に対処しながら価値あるデータ主導型技術の潜在力を活用するため、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)ロードマップを承認。 ◇ 身代金目的のサイバー攻撃ランサムウェア)の犯罪ネットワークによる脅威の高まりに緊急に対処する。 ◇ 科学、技術、工学及び数学(STEM)の分野で、女性と女児の更なる参画を推進。開かれた相互主義的な研究協力のためのG7「研究協約」を採択した。

【気候変動・環境】 (1) 総論 ◇ 我々は、遅くとも2050年までに、温室効果ガス排出のネット・ゼロを達成する目標及びその目標に沿って引き上げた2030年目標にコミットする。 → 2030年代の電力システムの最大限の脱炭素化を達成する。 (2) 化石燃料・石炭火力 ◇ 炭素密度の高い化石燃料エネルギーに対する政府による新規の直接支援を、限られた例外を除き可能な限り早期にフェーズアウトさせる。 ◇ 石炭火力発電が温室効果ガス排出の唯一最大の原因であることを認識し、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電への国際的な投資をすぐ止めなければならない点を強調し、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電への政府による新規の直接支援について2021年末までに終了する。 (3) 気候資金 ◇ 途上国支援のため、2025年までの国際的な公的気候資金全体の増加及び改善に各国がコミットする。 (4) 生物多様性 ◇ 我々は、2030年までに生物多様性の損失を止めて反転させるという世界的な任務を支えるG7・2030年「自然協約」を採択する。 ◇ 我々は、2030年までに世界の陸地及び世界の海洋について、両者共に少なくとも30%を保全又は保護する、生物多様性に関する世界目標に向けて尽力する。 → 我々は、国の状況やアプローチに応じて、2030年までに、自国の陸水域と内水面を含む土地と沿岸・海域の少なくとも30%を保全又は保護することで貢献する。 ◇ プラスチックによる海洋汚染の深刻化に対処する(海洋プラスチックごみ)。 【ジェンダー平等】 ◇ 2026年までに、低所得国及び低中所得国において4,000万人以上の女子に教育を提供する。 ◇ 2026年までに、低所得国及び低中所得国において2,000万人以上の女子が10歳までに又は小学校終了時までに読解力を身につける。 【グローバルな責任及び国際的な行動】 ◇ 豪州、インド、南アフリカ及び大韓民国の首脳と共に署名した「開かれた社会に関する声明」に反映されているとおり、国際システムにおける開かれた社会としての我々の共通の価値を推進するために協働する。 (1) 中国 ◇ 世界経済の公正で透明性のある作用を損なう非市場主義政策及び慣行という課題に対する共同のアプローチについて協議する。 ◇ 共通のグローバルな課題において、特に気候変動枠組条約COP26その他の多国間での議論で気候変動及び生物多様性の損失などの対処において協力する。 ◇ 我々は中国に対し、特に新疆との関係における人権及び基本的自由の尊重、また、英中共同声明及び香港基本法に明記された香港における人権、自由及び高度の自治の尊重を求めること等により、我々の価値を促進する。 (2) ロシア ◇ 他国の民主的システムへの介入等の不安定化を招く行動及び活動を停止し、国際人権に係る自国の義務を果たすよう求める。 ◇ 国際的に承認された国境内におけるウクライナの独立、主権及び領土一体性への我々(G7)の支持を表明する。 → ロシアに対し、ウクライナの東部国境及びクリミア半島におけるロシアの軍隊及び軍需品を撤収させるよう求める。 (3) 北朝鮮 ◇ 朝鮮半島の完全な非核化並びに北朝鮮の違法な大量破壊兵器及び弾道ミサイル計画の検証可能かつ不可逆的な放棄を求める。 ◇ 北朝鮮に対し、対話に関与し、これを再開することを求める。 ◇ 北朝鮮に対し、全ての人々の人権を尊重し、拉致問題を即時に解決することを改めて求める。 (4)ミャンマー ◇ ミャンマーにおける軍事クーデター及びミャンマーの治安部隊により行われた暴力を最も強い言葉で非難し、恣意的に拘束された人々の即時解放を求める。 ◇ ASEANの中心的役割を想起し、ASEANの「5つのコンセンサス」を歓迎し、その速やかな実施を求める。 (5) インド太平洋 ◇ 包摂的で法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋を維持することの重要性を改めて表明する。 ◇ 台湾海峡の平和及び安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的な解決を促す。 ◇ 東シナ海及び南シナ海の状況を引き続き深刻に懸念しており、現状を変更し、緊張を高めるいかなる一方的な試みにも強く反対する。 (6)イラン ◇ イランが決して核兵器を開発しないようにすること。 ◇ 米国及びイランによる包括的共同作業計画(JCPOA)での合意への復帰を達成するため、JCPOA参加国間及び米国との実質的な議論を歓迎する。