OTC薬を選ぶ上では、効き目を重視するのが一般的ですが、本書では「リスクが少ない」点を特に重視しました。薬局を訪れる機会の多い、高血圧、糖尿病、緑内障といった疾患を持つ人も使用できる成分・商品は何か、眠気が出るかどうかでどう薦め分けるか、などの視点から厳選しています。ドラッグストアでの値引き率が大きい商品は避けるなど、価格面も意識し、
単味製剤を中心に取り上げた点もポイントです。OTC薬の多くは複数成分の配合剤です。配合剤は、多様な症状に1つの商品で対応できる、いわばストライクゾーンの広さがメリットですが、一方で、必要のない成分も服用することになったり、コストが高くなる可能性もあります。薬局薬剤師は医療用医薬品で単味製剤の取り扱いに慣れているので、しっかりと聞き取りをして、症状に合ったOTC薬をピンポイントで薦めることは十分可能でしょうし、副作用のリスクも最小限になります。