厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会が7月30日に開催され、「原則40歳以上の人」に対して、英アストラゼネカ製の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンを予防接種法に基づく接種で使用することを了承。
また、武田薬品工業/米モデルナ製のCOVID-19ワクチンについて、接種対象者を現行の「18歳以上」から「12歳以上」に拡大することも了承。これを受けて、厚生労働省は予防接種法施行規則、予防接種法実施規則の一部を改正する省令を発出した。
アストラゼネカ製のCOVID-19ワクチン(商品名バキスゼブリア筋注)は、
2021年5月21日に薬事承認されていたが、同日開催された予防接種・ワクチン分科会で「我が国における使用のあり方について引き続き検討する」とされていた。今回の分科会では諸外国における接種状況や副反応の発生状況などを踏まえて、予防接種法上の臨時接種の枠組みで使用することを認めた。具体的な対象としては、「40歳以上」に加えて、(1)他のCOVID-19ワクチンに含まれるポリエチレングリコールなどの成分にアレルギーを有するといった医学的見地から特にアストラゼネカ製ワクチンを希望する場合、(2)他国でアストラゼネカ製ワクチンの1回目を接種してから入国した場合、(3)他のワクチンの流通停止など、緊急の必要がある場合──などの「必要がある場合」であれば、「18~39歳」でも接種を認めるとしている。
同ワクチンは、諸外国でも年齢制限を設けて使用しているところが多い(図)。ただ、アジア諸国は「50歳以上」としている韓国を除いて年齢制限を設けていない点もある。
諸外国が年齢制限を設けている背景には、ワクチン接種後に血小板減少症を伴う血栓症(TTS)の報告が相次ぎ、それが若年者に多く発生している傾向にあることが挙げられると考えている。