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新薬13成分25品目を薬価収載してます 世界初の気管支喘息のトリプル吸入薬も収載へ

厚生労働省中央社会保険医療協議会中医協)は2020年8月19日の総会で、新薬13成分25品目の薬価収載を了承した()。8月26日に収載される。

表 2020年8月26日に薬価収載される医療用医薬品(画像クリックで拡大)

 吸入薬では、気管支喘息の配合薬であるアテキュラ吸入用カプセル(一般名インダカテロール酢酸塩・モメタゾンフランカルボン酸エステル)、およびエナジア吸入用カプセルインダカテロール・グリコピロニウム臭化物・モメタゾンフランカルボン酸エステル)の収載が了承された。

 エナジアは、気管支喘息を効能・効果とするトリプル吸入薬として世界で先駆けて承認。長時間作用性β2刺激薬(LABA)のインダカテロール、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)のグリコピロニウム、吸入ステロイド薬(ICS)のモメタゾンフランカルボン酸エステルが配合されたカプセルで、専用の吸入器「ブリーズヘラー」で1日1回吸入する。インダカテロール、グリコピロニウム、モメタゾンフランカルボン酸エステルとしてそれぞれ150μg、50μg、80μgを含む「中用量」と、それぞれを150μg、50μg、160μg含有する「高用量」の2規格がある。

 アテキュラはLABA/ICSの配合薬。インダカテロール150μgに加え、モメタゾンフランカルボン酸エステルの含有量の違い(80μg、160μg、320μg)に応じて低用量、中用量、高用量の3品目が収載される。エナジアと同様、「ブリーズヘラー」を使用して1日1回吸入する。

 内用薬は6成分14品目。エンレスト錠サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)は、ネプリライシン阻害薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の合剤。効能・効果は、「慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)」。通常、成人には1回50mgを開始用量として、1日2回経口投与する。

 オンジェンティス錠オピカポン)は、「レボドパ・カルビドパまたはレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)の改善」を効能・効果として承認。通常、成人にはオピカポンとして25mgを1日1回経口投与する。投与時は、レボドパ・カルビドパまたはレボドパ・ベンゼラジドの投与前後および食事の前後から1時間以上空ける必要がある。

 点鼻薬では、低血糖時救急治療薬のバクスミーグルカゴン)の収載が了承された。従来、インスリンなど糖尿病治療薬による低血糖への対処として医療機関外で使用できるものには、グルカゴンの注射薬があるが、注射用水への溶解などの調製や、筋肉・静脈内注射の手技の習得など、患者や看護者の負担が大きかった。一方、同薬はそうした手間なく簡便に投与できるとして、有用性加算IIの適用が認められた。1回使い切りタイプの製剤であり、通常、グルカゴンとして1回3mgを鼻腔内に投与する。