文部科学省は28日、国内の主要18大学で39歳以下の若手教員が2019年度までの6年間に12%減ったとの調査結果を発表した。若手教員は無期雇用に当たる任期なしと有期雇用に当たる任期付きの両方で減っており、大学教員の高齢化が進んでいる。政府は若手教員の増加を目標に掲げてきたが、実効性のある政策を打ち出せていないことが浮き彫りとなった。
東京、京都、大阪、早稲田、慶応義塾など11大学でつくる懇談会「RU11」に一橋、金沢、岡山など7大学を加えた計18大学の常勤の教員を対象に、13年度と19年度の雇用状況を調べた。
19年度に18大学の39歳以下の若手教員は9256人で、13年度より1310人(12%)減った。政府は16~20年度の「科学技術基本計画」で日本の研究力向上を目指し、大学の若手教員を20年度に全体で1割増やす目標に掲げたが、達成は困難な状況だ。
一方、40~59歳以下の中堅教員は19年度に13年度比4%増の2万2669人、60歳以上のシニア教員は21%増の5330人といずれも増加した。全体的に教員の年齢層が上がっている。
任期なし教員は19年度に計2万2799人で、13年度より897人(4%)減った。任期付き教員は624人(5%)増えて1万3249人だった。教員全体に占める任期付きの割合は19年度に35.6%と、13年度から1.2ポイント上昇した。任期付き教員は若手、中堅、シニアの全ての年齢層で増え、雇用の不安定化が進んでいる。