重要土地等調査・規正法
◇ 2021(令和3)年6月、重要土地等調査・規正法が成立した。。同法は、、自衛隊基地や原子力発電所など、国の安全保障上において重要な施設周辺の土地利用を国が調査・規制するものである。
→ 正式には、「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」という。
→ 同法を整備した背景として、外国資本(中国や韓国)による不透明な土地取得を防ぐことが挙げられる。
◇ 同法は、国の重要施設(防衛関係施設等)及び国境離島等の機能を阻害する土地等の利用を防止することを目的としている。
→ 基本方針は、①重要施設及び国境離島等の機能を阻害する土地等の利用の防止に関して、基本的方向を定めること、②注視区域及び特別注視区域の指定に関する基本的な事項を定めること、③土地等の利用の状況等についての調査並びに利用者に対する勧告及び命令に関する基本的な事項を定めること、となっている。
→ なお、同法に基づく措置は、個人情報の保護に十分配慮し、必要最小限度のものとしなければならないことを留意事項としている。
◇ 同法のポイントは以下のとおり。
(1) 対象区域を「注視区域」及び「特別注視区域」に指定する。
① 注視区域
◆ 防衛関係施設、海上保安庁の施設及び原子力発電所などの重要インフラ(政令指定)の周辺区域を告示で個別指定する。
→ 指定した施設の敷地の周囲約1kmの範囲内。
◆ 国境離島や有人国境離島地域を構成する離島の区域(国境離島等)について、告示で個別指定する。
② 特別注視区域
◆ 機能が特に重要なもの又は阻害することが容易であるものであって、他の重要施設による機能の代替が困難であるもの(特定重要施設)の周辺区域について、告示で個別指定する。
→ 自衛隊の司令部機能、警戒監視機能を有する自衛隊の駐屯地・基地等。
◆ 機能が特に重要なもの又は阻害することが容易であるものであって、他の国境離島等による機能の代替が困難であるもの(特定国境離島等)の区域について、告示で個別指定する。
*:潮汐(潮の干満)によって海面が最も低くなったときの陸地と海面との境界をいう。
(2) 調査・規制
① 調査(注視区域・特別注視区域共通)
◆ 対象:土地及び建物の所有者、賃借人等
◆ 調査事項:所有者等(氏名、住所、国籍等)、利用状況
◆ 調査手法:現地・現況調査、不動産登記簿、住民基本台帳等の公簿収集、所有者等からの報告徴収
② 事前届出(特別注視区域のみ)
◆ 対象:土地等の所有権移転等(売り手・買い手)
→ 一定面積(200平方メートル)以上の取引に限定。
◆ 届出事項:氏名、住所、国籍等の他、利用目的、所在、面積等
→ 無届や虚偽報告を行なった場合、懲役6カ月以下、罰金100万円を科す。
③ 利用規制(注視区域・特別注視区域共通)
◆ 機能を阻害する利用の中止の勧告・命令
→ 電波妨害やライフラインの遮断等を「機能を阻害する」行為として、取締りの対象とし、利用の中止を勧告・命令する。
→ 従わなかった場合、懲役2年以下、罰金200万円以下などの刑事罰を科す。
④ 利用規制(注視区域・特別注視区域共通)
◆ 国による土地等の買取り(国の努力義務)
今週のお題「眠れないときにすること」
読書か資格勉強